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東京築地の土壌汚染について考える

 築地にある中央卸売市場の豊洲地区への移転に関しては、土壌汚染が深刻なことから反対意見が多数を占めています。もともと豊洲新市場の場所は東京ガスの私有地だった場所で、そこではベンゼンが環境基準の1500倍、シアンが490倍、ヒ素が49倍、水銀が25倍というふうに高い濃度が検出されています。地下水も同じく、高い濃度の検出があり、これをどのように処理してきれいな場所にするかということが大変な問題になっています。

 現在、東京都ではこの土地を有効利用するためには2786億円かけて地下2mまで処理基準を超えている土壌を処理し、その上に2.5mの健全土を盛り土してその上をアスファルトによって舗装すると考えています。この土壌汚染を工業的に洗浄して埋め戻すのか、もしくは掘ったままでどこかに運び出していくのかはまだあきらかになっていません。この土地だけでなく、有害金属の土壌汚染に多額のお金をかけて、洗浄する方法だけでいいのか考えてみるべき時期に来ていると思います。

 ドイツでは、ライプニッツ植物生化学研究所では、植物の葉っぱに亜鉛やカドニウムが高濃度で蓄積していく植物.....。シロイヌナズナを利用して土壌をきれいにする方法を考えています。ある種の植物はこれらの重金属汚染された場所にも育ち、それらを吸い上げ葉っぱに移動させてくれます。

 その結果、土壌汚染そのものは減少するのです。この植物に限らず、重金属を吸い上げる植物は多数あるはずです。吸い上げられた重金属は根から上の部分を刈り取ることで容易に土壌の有害金属を減らすことができるのです。

 昔、イタイイタイ病という公害病があった時には稲の中にカドニウムが高濃度蓄積されたために残った公害病でしたが、このような不幸をおかさず、逆にカドニウムを土壌から吸い上げ、濃度を減らす方法として利用することもできるでしょう。

 また、さらに期待を寄せるならば、ただ吸い上げた有害な重金属をそのままの重金属の植物を他に移動して廃棄するのではなく、刈り取った葉っぱをそこに捨て置いて次の植物を堆肥として利用し続けるうちに結果的には有害金属の絶対量を減少させることも可能ではないかと私は仮説を立てています。

 この実験には5年くらいの時間を必要とするかもしれませんが、植物は原子転換をするという仮説の中でこの実験をしていくことはエコロジーの時代に腰を据えて取り組んでもよいテーマではないかと考えています。

 広島、長崎に落とされた放射性元素の半減期から考えると現在でも相当高濃度の放射性物質が広島の土地から検出されなければならないのが理論上の数値です。ところが、実際にはほとんど検出されないという摩訶不思議な現象が起きています。植物だけでなく、土壌中の微生物が放射性元素の原子転換を担っていると考えてみてもよいのかもしれないのです。と、考えると土壌の重金属汚染の場所には普通以上の微生物を入れて土壌改良していくとかなり早く有害金属が減るというもうひとつの仮説も浮上してきます。いずれにしてもこうした仮説は実験してみる価値があるのではないでしょうか。

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