スターバックスがアメリカに進出し、世界に広まったことで一体何が変わったのかを考えてみると、いくつかの要素が浮かび上がってきます。現在、スターバックスで売られているコーヒーはショートサイズで3ドル、トールサイズで5、6ドル.....。これだけでも昔では考えられないほど高い支出をアメリカ人がコーヒーに払うようになったことがわかります。
それまでのコーヒーといえば、ファミリーレストランやコーヒーショップで提供される薄く香りもあまりないコーヒーだったし、それは一杯5、60セント。つまり、スターバックスの1/6程度の値段で飲めるものでした。「アメリカ人はコーヒーの味などわからないんだ。」というのが今から10年ほど前、日本人がアメリカに行った時に共通して持つ印象だったのです。
そして、もう一つの特色はカフェイン量が多いということです。このカフェインの強さがカフェイン依存症のアメリカ人を大量に作り出したことも間違いないことです。1999年、1700億円の売り上げから2004年の5300億円の売り上げまで驚異的な伸びです。そしてもう一つコーヒー以外のカフェインに注目するとコーラ、その他のカフェインです。340グラム入りのコーラ缶はカフェインの含有量が34ミリなのに最近、アメリカの若者達によく飲まれているレッドブルはカフェイン量が80ミリグラム。ロックスターゼロ・カーブは120ミリグラムです。さらに新しい2007年に出たエナジードリンクはカフェイン量が280ミリグラムというから本当に驚きです。
カフェインをとると頭の働きがよくなるとかアドレナリンが出て、夜眠れなくなるなどいろいろな効果がありますが、コンビニで簡単に買える子供も買える普通のドリンクや清涼飲料水でこれほどカフェインが飲まれているということは問題です。
肝臓に蓄えられたグリコーゲンがアドレナリンによって血中に放出されるために、ご飯を食べなくてもブドウ糖が脳に行き渡り、極度な興奮状態を作ります。そして、2時間くらいたつと低血糖になり、再び、カフェイン入りの飲料を飲みたくなる。というような依存症になります。これらの状態を続けていると肝臓と腎臓が特に痛めつけられ、そこに常備されていなければならない抗酸化力の元であるビタミンやミネラルがまったくゼロの状態になり、細胞がスカスカで新しい細胞に作り替えられる栄養が足りないために細胞に穴が空き、機能しなくなるということが考えられるのです。
カフェイン依存症の人はあまり栄養をとらないので、この傾向は一層ひどくなります。肝硬変などの肝臓の障害で死に至ることもあり得ます。こうした悪い意味での新しい清涼飲料水が日本に入ってこないことを祈るばかりです。
またアルコールと混ぜた多量摂取による健康上の問題を重視したデンマーク、フランスなどでは、2004年まで同国内での販売を中止しています。ヨーロッパとアメリカの健康意識の違いといってしまえばそれまでですが、子供を守る観点からはこうしたものに敏感である必要がありそうです。