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4泊5日の香港滞在 その3

 香港ではもう一人の娘の友人と夕食を共にしました。大学時代の友人だそうで、今は香港のアパレルメーカーで日本の大手のデパート、スーパー、アパレル業界にその年のサンプルをミラノの糸でミラノのファッションをなるべくセンスよく取り入れ、なおかつ大量生産を中国でする。しかも、粗悪品を排除するようにコーディネートをするというのが彼の中国のオフィスの仕事だそうです。

 それにしても、日本語も使えず、広東語と英語だけで毎日ビジネスをするところに飛び込むなんて本当に勇気のある青年だと関心しました。彼は今25歳。香港に来て4ヶ月目なのにもうかなりの広東語を使いこなし、お料理のオーダーも一人で広東語でこなしてくれたのには驚きました。

 おいしい海鮮料理が次々とテーブルに並び、普段食べたこともないような新しい味覚を満喫しながら、楽しい時間を過ごし、皿数が7つくらい並んで一人5000円程度でリーズナブル。

 彼の仕事は時々、そうした見本市のようなアパレルのミラノファッションの先端のサンプルが全部並べられているという香港から車で2時間ほど行ったところにあるトンガンに時々、いい出物の見本を探しにいくことで、手に入れたサンプルを日本人の会社に紹介する仕事です。

 実はこのドンガン(東莞)というのは不思議な場所です。100円グッズのサンプルから化粧品の瓶やハンドバッグ、ブランドバッグを含めて家具から雑貨、アパレルから靴までなんでもかんでも製造メーカーのサンプルが置かれている場所だそうです。私は行ったことがありませんが、ここで日本人が直接交渉すると必ずカモられて、支払い条件通りにお金を払っても商品が届かなかったり、まったく違うものが送られてきたり元と香港ドルと米ドルと日本円との換算がちゃんとできない人だと、意外と高いものを押しつけられたりと様々な苦しみがあるそうです。

 そんなことも含めて価格の安い中国は世界中の工場として市場で売られてる値段の1/20~1/30以下の値段でモノを次々に生産する拠点として成り立ってきたわけです。しかし、人件費も高騰し、プラスチック製品、その他原材料コストの値上がりで中国、現地生産のマジックはいつまで続くのか曲がり角に来ているという話でした。

 娘の友人の会社でも最近では生産の拠点を中国から人件費の安いベトナムにシフトしつつあるのだそうです。香港に来ると日本ではあまり理解できない事が少しづつ見えてくる気がします。私は洋服にはかなり関心があるので流行というものの不条理な部分にどのようにアパレル業界が対応しているのかいつも不思議でしょうがありませんでした。「今年は絶対、黄色が流行る!」とその前の年からミラノファッション界が煽っていたとしても、まったく違う流行の方に火がついてあっという間に黄色の洋服のデッドストックが山積みになっていることだってあるはずです。

 無名なメーカーだったらそれはそれとして安売りでなんとか換金することもあるでしょうが、有名なブランドになればなるほどそれらを処分する時には細心の注意をしなければならないのです。どこで処理してるの?と聞いたところ、ファミリーセールと称した社員と家族に対する7割引か9割引の特別セールなどを大森の流通センターやホテルの催事場でやったり、アウトレットモールにわざと2、3年たったものを出したりするのだそうです。それでも倉庫料もばかにならないので、彼の会社では完全なゴミとして処分してしまうこともあるそうです。しかも、それらのゴミの中からまたプロフェッショナルな中国人たちがタイミングよくそれらを回収して中国本土の店先で売ってることもあるのだそうです。いずれにしても、大量生産、大量消費の今の時代にはそうした無駄、資源の使いすぎの問題がいつも隣り合わせで存在していることを感じさせるストーリーでした。

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