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介護の時代、介護の予習

 国の介護にかかる費用を下げていきたいという財政面でのしわよせがいろいろな面で国民につらくて暗い影響を投げかけている時代です。在宅介護になるべくシフトしてほしいという国の考え方は団塊の世代が高齢者になっていく間、ますます厳しい方向になっていくと思いますし、そのための備えが早いうちから予習しておくことに勝る方法はないでしょう。介護保険を払っている人たちでも在宅介護の基準が厳しくなり、要介護度の基準が厳しくなった結果、来てもらう回数が減ってしまうというクレームが起こっています。

 在宅介護で介護保険の一割負担とそれ以外の超過分の両方合わせると一ヶ月の在宅看護の平均値は16万円にも達するそうです。こうした費用をふつうの家庭でまかなうのは非常に厳しいといわざるをえません。

 私の母は父が死んだあと、3、4カ所の老人ホームに滞在しましたが、最後の場所は一番新しくできた考えられないくらいきれいで美的な老人ホームでした。これは特別養護老人ホームの格付けだったので月々かかる費用は大変安く、8万5千円程度でした。最初に両親が入居していたのは茅ヶ崎にある高級老人マンションで、入居費が数千万円。月の食費その他の生活費が二人で30万円弱とかなりお金がかかる場所で、お金持ちの人ばかりが集まっているという意味では外から見ると居心地のよさそうな場所でしたが、実際には入居者同士プライドが高い方が多いのでいざこざがないわけではありませんでした。夫婦仲のよい両親を他の一人暮らしの女性の高齢者の人が嫉妬していじわるすることが母にとっては苦痛だったようです。

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 いろいろな老人ホームに母が世話になったおかげで老人ホームの予習は他の人よりはできたかなと思いますが、最近では老人ホームをこれ以上作らない方向というのが国の方針だとかで、特別養護老人ホームは全国で38万5000人もの入居待機者がいるそうです。私の母が入ったとてもすばらしい特別養護老人ホームの場合はなんといっても、一度来た人がみんな気に入ってしまうものですから、ウェイティングリストが7年あるということで、7年も待っていたら入居する前に死んでしまうんではないの?という感じでした。

 65歳以上の10人に一人85歳以上の4人に1人が認知症と診断されているそうです。アメリカの場合はこの認知症の程度は日本よりもずっと少なく、自立と楽しい暮らしをする人の数が日本人と比べてかなり多い、幸せに暮らす人が多い。という違いがあるようです。

 高齢化社会はなんといっても一方では、いざという時の入所場所と信頼できる介護の場所。そして、経済力のシミュレーションは必要ですが、もう一方では60歳以上の人がいかに楽しく幸せに運動しながら、自分で自信を持つ、また、あらゆる面での社会活動を続けていく老化の予防に積極性を持つことが大切でしょう。社会参加の中では、ボランティア活動を通して人の役に立つことをしっかりがんばっていれば、そのこと自身が自分の鬱や認知症の予防になることは間違いないでしょう。孤立やエゴ、幼児性はそっくりそのまま認知症につながっていくと考えられます。

 最後に、私の友達の弟がはっきり言ってお金儲けを目的とした有料老人ホームを作りました。老人ホームだって、ビジネスであれば当然のことでしょうが、高いフィロソフィーを持たないで介護を行う場所にはトップの思想が末端まで反映され、お年寄りに対する愛情、スタッフに対するねぎらいや愛情が希薄でコストカットの面ばかり要求することになり、入居者の家族が来ない時の老人に対する暴力があるのだと聞きました。福祉大学を卒業して老人の介護にあたっている人は現在、非常に増えていますが、典型的な低賃金の労働の環境で平均給料が13万~14万程度ということを聞いてそれもまた私にとってショックなことでした。

 老人本人が認知症になっている場合には、こうしたことを正しく人に伝える能力もなく、大変悲惨です。こうしたことがない施設を選ぶためには、最新の注意を払うことはなにより大切です。

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