10億円を貯めるコツという小さな視点でしか取材されないのを本人はすごくいやがっていたそうですが、節約で10億円を貯められるはずはないでしょう。むしろ、横溝さんの大志こそが今の格差社会のリッチな人たちに向けての一つのメッセージだと思うのですが・・。
私たちは年をとると、若かった頃より少しお金にゆとりができます。しかし、団塊の世代が退職したあと、自分の趣味や生活、旅行などにお金を使うことを考えることは多いのですが、志を大きく持って、世のため、人のためにお金を使おう。と考える人は日本ではまだ本当に少ないです。かくいう私自身も生きているうちに節約をし、その分のお金をできるだけたくさん寄付したり、使ったりできるのかと問われれば、横溝さんのような大きな志を持つことはなかなか難しいのです。だからこそ横溝さんのスケールの大きな志は今の私達、団塊の世代以上の人たちにとっては、とても価値あることです。彼女のすばらしいところは25年前に都内の土地とマンションを売ったお金を二回にわたって10億円を二回寄付していることです。

もともと教師夫妻であったこの横溝さんがご主人と志をひとつにして教育のためにお金を寄付しようと考えたことはすばらしいことです。この10億円に関しては国債を大磯市に購入してもらい、その利回り2500万円を教育や奨学金として使ってもらうという具体的なプランがついています。これによって志のあるのにお金のなく、進学をあきらめようとしている子供達にはすばらしいチャンスを得ることになります。お金持ちの日本人がたくさんいるこの国で全国的に同じような行動をとる人が増えれば、この国も子供達にとってもっともっとよい国になるだろうというメッセージを彼女は投げかけているのです。
人が年をとっていく時に日本では死ぬ直前の預金残高がもっとも高い不思議な国といわれています。つまり、お金を貯めても使い道がわからず結局、誰にそのお金をあげるのかもはっきりしないまま、蓄えすぎた人は税金として相続税をおさめ、なんとなく人にあげてしまいます。もっと人生の目的をはっきりさせ自分で自分のお金をマネージし、寄付するものやボランティアに使うものそして自分の生活や潤いのために使うものなど、としっかりと計画して年をとっていく人の方がただ自分の老後の病気や老人ホームの生活費のことばかりに気をとられている人よりははるかに健康で暮らせるでしょう。
人間は人のために役に立つ生き方をしようと思えば、自分の健康や病気のことなどあまり考える暇がなくなり、病気になることも少なく、逆に病気と老人ホームのことで頭がいっぱいになった人は「念ずれば花開く」の悪い例のように自分が描いた老人ホームと病気を自ら招くことになると私は思います。