沖縄には仕事で年に2、3回ほど行きますが、日帰りはもったいないので必ず宿泊するようにしています。なんといっても沖縄で食べる沖縄料理のおいしさに惹かれるためでしょう。
おいしい料理は数多いけれど、豚の角煮のラフテーはなんといっても口でとろけるほどやわらかくおいしいし、豚の耳の部分をコリコリ食べるミミガーも絶品。野菜炒めのチャンプーはもうナショナルブランドになっているので今更という気がしますが、やはり食べてみるとゴーヤの苦みが沖縄の暑さとぴったり。10月末というのに海で泳ぐことができるという30度近い気温は本当に得しただし、暑さの中で食べるゴーヤチャンプルーは最高。
しかし、この料理のベースにあるものはなんといっても命のもとである沖縄の塩と海草ではないかと思っています。命の薬「ぬちぐすい」という言葉があるように沖縄で作られる塩は甘く、ソフトでミネラルが十分でありながらも料理を下支えする力がしっかりあるような気もします。奥行きのある味、そしてなによりも驚かされるのは料理がどれも薄味であることです。味覚が正常であればあるほど薄味になり、薄味だからこそだしの味をしっかり味わうことができるものですが、沖縄料理はまさしくそんな感じです。
沖縄のホテルのブセナやアリビラ、ロワジール、ナハテラスなどあちこちのホテルのレストランで中華、和食、フレンチ、イタリアン、ビュッフェなどを沖縄料理以外にも食べてみると、どの味もどの料理も東京の一流のお店よりもおいしく感じるのは不思議なことです。やはり、これも味覚が正常である沖縄のシェフ達のせいなのかもしれません。

午後になると、アフタヌーンティーやデザートビュッフェが登場しますが、これも東京で食べるよりもはるかに繊細ではるかに種類が多く、絶品です。あまりにおいしいので、「シェフはヨーロッパ帰りなのですか?」と質問したところ、「いえ、沖縄育ちで外に出たことがありません。」との答え。それではやはり、塩の他にもミネラルの多い海草料理のもずくやアオサ、コンブなどを小さいときから食べてきて味覚が正常なためなのかと勝手に考えてしまいます。今でも沖縄の昆布の消費量は全国でも一番。昆布を煮物や炒め物に使うのが家庭食のベースにあります。
今回は夜、チャタンのナイトフリーマーケットという沖縄の人たちがデートや、親子で楽しむ夜のフリーマーケットに行ってみましたが、昼とまた違った祭りの楽しさ高揚感があって、思わずいろいろ買ってしまいたくなる雰囲気でした。
屋台の小さなお店で地元のおじいちゃんが作っているソーキそばなどを食べながら、楽しい時間を過ごしました。沖縄料理は「命の薬」であると同時に平均寿命を高める長寿食であることは知られていますが、街にはステーキ、ハンバーガーのお店も多く、若い人たちの間では沖縄食離れというか、もうひとつの沖縄文化であるハワイやアメリカンフードがグイグイと人気を博しているために、生活習慣病の発生率が50代以下で非常に高くなる傾向があります。
最近の流行はタコスの具材をご飯の上にのっけて最後に目玉焼きをのせるタコライスが大ヒットしていますが、これもとてもおいしいのだけれど、健康の面から見たら長寿食ではない気がします。沖縄では現在、ほとんどの女性が共稼ぎで働き、夕方18:00頃までおじいちゃんおばあちゃんに子供の面倒を見てもらっている家庭が多いとか。そのため、お菓子を食べる子供達も増えていてそれがまた問題を作っているらしいのです。すばらしい沖縄食、すばらしい味覚をずっと子供達の中にも伝承してもらいたいなぁと思います。