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新型インフルエンザへの備えを

 世界各地で感染が拡大している鳥インフルエンザウイルスが、人から人へと感染する「新型」インフルエンザに変わり、世界的な流行が起こる可能性が高まっているため、厚生労働省は、去年、11月14日、そうした事態に備えるための行動計画をまとめました。



<出典:WHO>
 過去に大流行を引き起こしたインフルエンザウイルスは、いずれも元々はカモや白鳥などの水鳥を宿主(ウイルスを持つ動物)とする鳥インフルエンザウイルスだったという図です。Hは1〜16、Nは1〜9まであり、全部で16×9通り型のウイルスを鴨がもってて、このウイルスが他の動物に感染を繰り返すうちに突然変異が遺伝子の組み換えを起こして、種の壁を越えて人に感染するようになるものを新型インフルエンザと呼ぶわけです。なかでも2003年以降、東南アジア各国で広まったH5N1型(これだけとは限らない)は、新型インフルエンザヘと変化するおそれのある代表的なウイルスなんです。
 鳥インフルエンザウイルスH5N1型は、鳥の間での感染力が非常に強く、ニワトリなどに感染した場合は、ほぼ100%死亡させるという、強い毒性を示すのが特徴となっています。鳥インフルエンザウイルスの感染は、現在のところ、基本的には鳥から鳥への感染が主となっていますが、鳥から人への感染は現在のところ、まれにしか起きていません。鳥の臓器や排泄物に直接触れたりして、濃厚に接触したときに感染したと考えられています。こうして、まれに、人に感染するということを繰り返すうちに、人の体内で突然変異を起こして、人から人へと容易に感染する性質をもった新型のインフルエンザウイルスに変わる可能性がある。WHO(世界保健機関)の専門家は、新型インフルエンザが出現するのは、時間の問題だと指摘し、有効な対策がとられなければ、世界で最大740万人の死者がでる可能性があると警告しています。 今世紀、新型ウイルスによる、世界的規模の流行が3回起こりました。
・1918〜1919年に起こった世界人口の半数が感染して25%が発症し、死者は2000万〜4000万人にのぼったと見られているスペイン風邪(H 1 N1型)。
・1957〜1958年に出現したアジア風邪(H2N2)は世界で100〜400万人が死亡したと推計されています。
・1968年の香港風邪は世界で100〜400万人が死亡したと推計されています。
このうち、57年と、68年の流行は、トリに感染するウイルスと、人から人へと感染するウイルスが同時にブタに感染して、ブタの体内で両方の遺伝子が混じり合い、強い毒性を持つ新型のインフルエンザが出現したと考えられています。
 最近の研究で、最も犠牲者が多かったスペイン風邪の場合、アメリカ疾病対策センターCDCなどによる最近の研究で、その原因となったウイルスを遺伝子工学の方法で再現することに成功しました。その結果、スペイン風邪を引き起こしたウイルスは、鳥インフルエンザに似ていて、それが変異して強い特性を持つようになり、人から人へと感染する新型のインフルエンザウイルスに変わったと考えられています。
 次に現れる新型インフルエンザが豚の中で突然変異を起こすのか、それとも、鳥インフルエンザがわずかな変異を起こして、人型のインフルエンザに変わるのかという両方の可能性があります。

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