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ドラックデザインの時代

 アルツハイマーは私達、若い人間の間ではまだそんなに深刻と考えられていませんが、それでもこれから21世紀になって高齢化社会が来ると日本でもアルツハイマー病によって痴呆症になっていく人が大量に増えると考えられます。このアルツハイマーは私の身近なところでも非常に多く見受けられるようになりました。つまり、急速に物忘れして新しい事が覚えられない。身内の顔も忘れてしまう。名前が思い出せない等の症状です。
 私の母も初期のアルツハイマーと診断されていますが、母のいる老人保健センターではこのアルツハイマーのため、若干50代に見える働き盛りの男の人が一日中ぼんやりしている姿がとても痛々しく感じられます。数年前、レーガン大統領がアルツハイマーであると言える事を自分から述べたのも記憶に新しいところです。  ところで、このアセチルコリンと関係あるアルツハイマーの事をちょっとお話しますと、アルツハイマー病の人ではアセチルコリンが非常に不足している事がわかっています。アセチルコリンといえば、コリンやレシチン。つまり、卵黄等を食べればアセチルコリンが脳の中でできる事は予想できますが、アセチルコリンを増やすだけであるならば、そうした食事を増やせばいいという事になりますが、それだけではどうも期待された結果が出てきませんでした。  一方、考えられる方法としては、このアセチルコリンを分解してしまうものが、アセチルコリンエストラーゼというものですが、この酵素の働きをなるべくさまたげておけばアセチルコリンがレセプターにくっつき、その結果として非常に記憶能力が増進するという事が考えられます。  そこで、アメリカではこうした新しい脳にきく薬としてアセチルコリンエストラーゼというアセチルコリンをつかまえてコリンと酢酸に分解してしまう酵素の働きを抑えこんでしまう薬を作りました。  これはすばらしいものなのですが、残念ながらこのタクリンという脳にきく薬には副作用があります。他の酵素も結合してしまうために肝臓等が悪くなってしまうのです。  そこでアメリカのメイヨクリニックのユアンパンという人達のグループでは、タクリンが二個つながったダブルタクリンというものを作りましたが、こちらの方はタクリンを使用した場合に比べてなんと100倍ものスピードで記憶を回復したという事です。こういうふうに、100倍もの記憶を回復するという事はタクリンの1/100飲めばいい事になります。1/100の量で効くなら副作用の心配も1/100という事で大安心です。ダブルタクリンというのはタクリンを二個くっつけたものですが、今、このダブルタクリンを人に応用する前の毒性試験が行われています。このような薬が一般に使用されるようになるのは、もう数年先の事と思われますが、これが実用化されれば、現在の痴呆症のうち半数の人達がアルツハイマー等で非常に期待される薬という事が言えるでしょう

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