油は温度が低くなると固まるというイメージがありますが、常温でも固まる種類の油もあります。例えば、ペンキには合成樹脂のほかに植物油が使われています。フライパンなどに付いた油は時間がたっても固まらないのに、ペンキは放っておくと乾いて固まります。こうした特性は油の乾性の違いによるものです。
常温で液体の状態にある柚物油は、薄い膜の状態で空気中に放置したときの変化のしかたによって、乾性油・半乾性油・不乾性油の3つに分類されます。乾性油は空気中で乾燥して固まってしまうもの、不乾性油は空気中でもまったく乾燥しないもの、半乾性油はその中間にあたるものです。
このような違いは油脂を構成する3つの脂肪酸の組み合わせや種類の違いによるもので、動物油はほとんどが不乾性油、魚油はほとんどが乾性油です。こうした特性を生かすために、乾性油に不乾性油やほかの原料を加えるなどして、ペンキのような塗料やマーガリンのような加工食品を作っています。
乾性油にはアマニ油、エノ油(エゴマの種子の油)、サフラワー油、魚油などがあり、多くは塗料などの工業用に用いられますが、なかにはアマニ油やクルミ油、サフラワー油のように食用に利用されているものもあります。乾性油を食用に利用する場合は、酸化が進みやすいので、保存に十分注意する必要があります。
半乾性油は大豆油、ナタネ油、綿実油、ゴマ油、ヒマワリ油など、広く食用に利用される植物油のほとんどは半乾性油です。
これまでは代表的な半乾性油として、綿実油が世界的に広く利用されていましたが、近年では大豆油やコーン油が多く用いられるようになっています。このグループに含まれるゴマ油はほかの油と異なり、独特な芳香があるほか、ビタミン含有量が多く酸化しにくいという特徴があります。また、コメ油は半乾性油と不乾性油の中間に属するため、不乾性油に分類されることもあります。
不乾性油にはツバキ油、落花生油、オリーブ油、ヤシ油、コメ油などがあります。オリーブ油はョーロッパや地中海諸国で多用されていて、酸化しにくいので油潰けなどにも使われます。このグループには古くから下剤として用いられているヒマシ油も含まれます。